大学院での学び

臨床心理研究科についての具体的なカリキュラムや毎日のスケジュール等はパンフレットをご覧ください。

デジタルパンフレット

2年間の集大成として取り組む「修士論文」

臨床心理センターや外部機関で実践教育を受けるとともに、心理臨床家にとって必要不可欠な研究手法を学び、大学院修士課程2年間の集大成として修士論文の作成に取り組みます。
テーマと研究手法は、基礎的な研究から応用的研究、社会問題に関わるものまで多岐にわたり、広い専門分野に携わる教員が在籍する本研究科ならではの特色と言えるでしょう。修士論文をまとめる過程では年に2回の発表会が開催され、院生や教員たちが論文の内容に関する白熱した議論を行います。修士論文を完成させるプロセスで、院生たちは自ら問題を見出し、掘り下げて考える姿勢を身につけます。

2022年度修士論文題目一覧

  • ヤングケアラーがケアの過程で体験する心理プロセス~諦めや我慢といった『制限』と意味付けに着目して~
  • 親からの精神的自立と友人関係が対人恐怖心性に及ぼす影響~自我同一性を介して~
  • 父親の育児関与と新しい男性役割の関連
  • 臨床描画法におけるイメージ描画のズレの体験~身体性に着目した質的検討~
  • 「怖い話」からみる前思春期の対人関係
  • 不如意な体験における意味づけプロセス~箱庭制作体験を手掛かりに~
  • 個人の空想活動が精神的健康に及ぼす影響に関する研究
  • 良性妬み・悪性妬みの及ぼす原因帰属の影響~相手の成功をどのように捉えるか~
  • SNSでの心身の不調に関わる投稿と精神的健康との関連~友人関係と開示抵抗感を中心として~
  • 母親における子離れの意味づけプロセス
  • 認知された両親の養育態度が子どものパーソナリティに与える影響

2021年度修士論文題目一覧

  • 手話通訳者が聴覚障害者との関係を構築していくプロセス
  • コロナ禍で働く人のストレス、心理社会要因-実態調査から見える臨床心理学的援助に求められるもの-
  • 自己愛傾向と他者性の取り入れに関する検討
  • 小学校におけるスクールカウンセラー活用の促進要因・阻害要因に関する研究-学級担任の視点から-
  • 大学生におけるふれあい恐怖的心性と友人関係への動機づけおよび関わり方との関連
  • 保育者の“失敗”の捉え方に関する臨床心理学的検討
  • 臨床心理的援助の中で現れる「キャラ疲れ」についての一考察
  • 女子大学生における母娘関係の認知が母娘間コミュニケーションに及ぼす影響
  • 大学生における時間的展望と自己形成活動との関連

2020年度修士論文題目一覧

  • 制作者がアイテムに対して怖いと感じる体験について-シンタグマ軸とパラディグマ軸からの考察-
  • 描画でのイメージ表現を言語化する体験について
  • 大学生におけるスピーチ場面の相違が否定的見積もりと評価不安に及ぼす影響
  • 面接構造と沈黙の体験の関連について-ビデオ通話を用いた検討-
  • 自己のあり方から見た箱庭表現の検討
  • 大学生のLINE利用と孤独感の関連
  • コロナ禍における大学生のメンタルヘルス
  • 人は失恋からどのように成長するか-共分散構造分析によるPTG発生モデルの検討-
  • 青年が認知する親イメージ・夫婦関係の認知が親準備性に与える影響について
  • 青年期不登校における母子間のコミュニケーション-不登校親の会に参加する母親に注目してー

2019年度修士論文題目一覧

  • 高等学校における臨床心理士と教員との協働・連携促進に関する研究-スクールカウンセラーと教員コーディネーターのインタビューから-
  • 遊戯療法におけるラポール形成について-初学者の実習体験を通して-
  • 内受容感覚への気づきと共感性との関連
  • 描画時の身体感覚がイメージ体験に及ぼす影響-デジタルデバイスでの描画と比較して-
  • 大学生の仲間関係におけるチャム・グループの傾向と自我同一性との関連
  • 大学生における空虚感と自我同一性関連要因との関係
  • 大学生の学業における熟考と不安が学習方略と精神的健康に及ぼす影響

2018年度修士論文題目一覧

  • 軽度認知症高齢者に対する短期集中型個人回想法の効果の検討
  • 夫婦の関係性と結婚満足感との関連についての一考察
  • 現代青年の「悩めない」状態について-尺度作成の試みとTATを用いた探索的な検討-
  • コラージュ制作における台紙の色の選択について~内的ストーリーの視点から~
  • 自尊感情の高低と安定性が援助要請に及ぼす効果-大学生の援助要請を阻害する要因の検討-
  • 大学生のひきこもり傾向と自我同一性が孤独感に及ぼす影響
  • 思春期の子どもにおける過剰適応と内的対象との関連について
  • 精神科対人援助職における感情労働と共感満足/共感疲労の関係について
  • 在日中国人留学生にとっての「アルバイト」

臨床心理学研究科修士論文審査基準

  1. 臨床心理学研究として、適切な先行研究を踏まえた課題提起がなされている。
  2. 事実の検証およびデータの分析において信頼性と妥当性が保たれている。
  3. 研究方法およびデータの扱いにおいて、臨床心理学研究としての十分な倫理的配慮がなされている。
  4. 臨床心理学の発展に寄与する妥当な考察がなされている。
  5. 論理構成が適切であり、学術論文としての形式が順守されている。
  6. 修士論文について、分かり易く適切なプレゼンテーションができる。
  7. 修士論文に関する質疑に対して、適切かつ十分な応答ができる。

※以上の基準をすべて満たす場合、学位授与の条件として認められる。