【福祉サービスの組織と経営】『リーダーシップと動機づけ ― 支える人が、一番求められていることとは?』

対象:社会福祉学科

今回の授業では、福祉現場において「指示を出す人」よりも「寄り添い、力を引き出す人」がなぜ求められるのかを、心理、経営、そして福祉の歴史から多角的に学びました。

1. 動機づけ(モチベーション)の理論

職員や利用者の「やる気のスイッチ」がどこにあるのかを、ふたつの有名な理論からアプローチしました。

  • アブラハム・マズローの「欲求段階説」
  • フレデリック・ハーズバーグの「動機づけ・衛生理論」

講義内では、特に「給料を上げる」といった環境の改善だけでは、本質的な「やりがい(動機づけ)」には繋がらないという驚きの事実を共有し、お互いの気づきを深めました。

動機づけ(モチベーション)の理論 講義風景
2. 福祉現場の理想:サーバント・リーダーシップ

従来の組織に多かった「支配型」のリーダーシップではなく、現代の福祉現場で強く支持される「支援型」のリーダー像について学習しました。

R.グリーンリーフの哲学である「まず奉仕(サービス)し、その後に導く(リード)」というサーバント・リーダーシップの精神を学び、それを受け継ぐL.スピアーズの「10の特性」をリスト化して全員で共有しました。

サーバント・リーダーシップ 講義風景
3. エンパワメントの歴史と本質

相手が本来持っている力を取り戻す「エンパワメント」の概念と、ソーシャルワーク分野における歴史を紐解きました。

  • パウロ・フレイレ(ブラジルの教育学者):
    「対話」を通じて、抑圧された人々が自らの状況に気づき、主体的に動くプロセス(問題提起型教育)を提唱。
  • バーバラ・ソロモン(アメリカの社会福祉学者):
    社会的障壁によって奪われた「無力感(パワーレスネス)」を分析し、専門職がそれをどう支援すべきかを定義。
4. 実践的な演習とミニワーク

学んだ理論を「自分事」として落とし込むため、授業内では2回のミニワークを実施し、活発な意見交換が行われました。

【演習】あなたの原動力

予習課題に基づき、「この人のためなら頑張れる!」と思わせてくれた過去の出会いや、かけられた言葉を共有。自分自身がどうエンパワメント(力を引き出されたか)されたのかを振り返りました。

【ミニワーク】デミング博士の教室

前回の学び(PDCAからPDSAサイクルへ)と今回の「支援型リーダー」を掛け合わせ、「自信を失ってしまった新人をどう励まし、次の学び(Study)へと導くか」を具体的なケースを用いて考えました。

5. まとめ

リーダーシップは、利用者の方々のためだけにあるのではありません。
共に現場で踏ん張る「職員」を守るための仕組みこそが、リーダーシップの本質です。

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