視野が広がり、仕事で生かせる視点をたくさん学ぶことができるため、入学して本当に良かったと思っています
大学院 看護学研究科
大塚 旭さん
●現在の仕事と大学院進学の理由
私は新潟県の保健師です。現在は保健所で主に感染症対策を担当しています。感染症が発生した際に、感染源の特定や感染拡大防止のために、患者さんご本人のケアと合わせて、接触があった方々への聞き取りを行っています。施設等で集団発生が起きた場合は感染拡大防止策の助言などを行い、地域全体の体制強化のために施設の職員の方々を対象とした感染症対策の研修会を企画・実施しています。
大学院に進学した理由は、自分の仕事の仕方に自信が持てず、どうしたら良いかと模索する中で、大学院で学んだ保健師の先輩方の経験を聞き、自分も大学院で学びたい気持ちが大きくなりました。
また、市町村や医療機関をはじめとする関係者の方々と話し合うにあたり、地域の強みや健康課題に関するデータを分析して見える形で示すことができるとよいとも考えていました。年齢的に後輩の育成に携わる機会も多くなり、保健師の先輩達が培ってきたものを後輩に伝えたいと思うものの、伝える難しさも感じ、人に伝える力をつけたいと思い進学を決めました。
●研究テーマと内容
私が研究テーマとしているのは、介護施設における感染症対策です。介護施設は医療機関と異なり、感染症対策を徹底する難しさもたくさんあると感じています。施設における感染症対策が効果的に実施できるよう、施設において何が課題になっているのかを明らかにしたいと考えています。
●大学院に進学してよかったこと
大学院に進学してよかったと感じることは、1つは他の院生たちとの出会いです。入学されるまでの経験や、職種も様々ですが、他の院生と意見交換することが自身の励みになっています。
また、もう1つは先生方の授業からたくさんの学びがあることです。県の保健師をされていた先生から研究への指導をしていただくとともに仕事にすぐに生かせる視点を学ぶことができます。その他にも、様々な分野でスペシャリストとしてご活躍されている先生方の授業を受けられることで、看護職として大切にしなければならない視点を学び直すことができ、自分の仕事にどんな意味があるのかを意識するようになりました。また、ケアのとらえ方が大きくかわりました。患者さんとの関りや、事業を企画・実施する中で、”これは大学院で学んだことだ”と思うことが多く、学びがすぐ実践につなげられると実感しています。
●修了後の目標
今後の目標は、研究成果を現場で実践していくことです。日々の業務に埋没してしまうのではなく、研究的な視点をもって仕事に向き合い、地域の強みや健康課題を分析し、活動の成果を見える形にすることを意識しながら仕事を続けていきたいと思っています。
●大学院進学を検討されている方へ
勤務を続けながら学ぶ時間を確保するのは大変ですし、ご家庭の状況もありますので簡単には決断できないかもしれませんが、リモートでの授業も多く、先生方も親身に相談にのってくださるので、私はなんとか勉強に向き合う時間を確保することができています。また、研究分野は違っても、他の院生と仕事や授業に関する意見交換ができることが励みになっています。視野が広がり、仕事で生かせる視点をたくさん学ぶことができるため、入学して本当に良かったと思っています。