教員紹介 - 木村 哲夫

Q. 先生の研究・活動を教えてください
コンピュータを使ったテストの仕組み「CAT(適応型テスト)」や「MST(マルチステージテスト)」を研究しています。これは、テストを受ける人の答えに合わせて次の問題が自動で調整されるしくみです。また、オンライン学習を管理する「Moodle」などの仕組みと連携させて、テストをより使いやすく、効果的にすることにも取り組んでいます。さらに、テストを受ける人の気持ちや意欲も考えながら、ストレスの少ない評価方法を探っています。
Q. この分野の面白さは、どんなところですか?
コンピュータを使ったテストの仕組みの面白さは、テストの問題がその場で変わることです。たとえば、簡単な問題に正解すると少し難しい問題が出てきて、逆に間違えると優しい問題に戻るなど、その人にちょうどいいレベルの問題が出されるのです。これにより、無理なく力を測ることができ、テストに対する不安も減らせます。また、こうした仕組みを世界中の人たちが使えるように、オープンソースのシステムで開発し、誰でも利用できるようにしています。
授業紹介
外国語学習ストラテジー、英語情報収集、英語情報発信、国際交流、海外研修
これらの授業の設計を行いました。現在は授業を担当していませんが、運営についてお手伝いしています。
・外国語学習ストラテジー
この授業では、「どうやって外国語をうまく学ぶか」に注目します。たとえば、単語を覚える工夫、英語を聞き取るときのコツ、自信をもって話す方法など、自分に合った学習法(ストラテジー)を見つけることが目的です。3つのe-learningシステムを組み合わせて、各自の目標に合わせて学習を進めます。
・英語情報収集
英語を使って、インターネットや記事、映像などから必要な情報を探す練習をします。キーワードを工夫したり、正しい情報を見分けたりする方法を学びます。観光、医療、環境など自分の関心に合わせてテーマを選べることもあり、英語が「使える力」になっていくのを実感できます。
・英語情報発信
この授業では、英語で自分の考えや情報を発信する練習をします。たとえば、短いスピーチ、ポスター発表、プレゼンテーション、SNS投稿風の作文などを通して、自分の言いたいことを正確かつ分かりやすく伝える力を身につけます。「伝える」楽しさや難しさを体験できる実践的な授業です。
・国際交流Ⅰ
インターネットを経由した海外の学生との交流を英語で行います。世界各地で英語を外国語として学ぶひとたちと、身近なわだいを中心に意見交換をします。また、海外で日本語を学習している人とは、やさし日本語での交流も行います。日本文化や新潟の紹介を、英語とやさしい日本語で行います。
・国際交流Ⅱ
海外から来た学生との交流や、外国語を使った活動を通じて、文化や価値観のちがいを学びます。会話だけでなく、一緒にイベントを企画したり、プロジェクトに取り組んだりすることもあります。
・海外研修(アメリカ研修、中国研修)
実際に海外に行って、語学研修や現地の人との交流を行う実践的なプログラムです。アメリカでは英語を、中国では中国語や文化を体験しながら学びます。語学学校での授業に加えて、ホームステイや観光、大学訪問など、教室では得られない学びがあります。将来の進路や考え方にも大きな刺激になります。
メッセージ
高校の勉強は「答えのある問い」に取り組むことが多いですが、大学では「問いそのものを見つける力」が大切になります。自分でテーマを見つけ、深く調べ、仲間と語り合う中で、新しい考え方や世界の見方が広がります。失敗しても大丈夫。むしろ失敗からこそ、たくさんのことが学べます。大学は、自分の興味を追いかけ、可能性を試せる場所です。未来の自分を見つけに、ぜひ飛び込んできてください。
著書
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Kimura, T. (2018)
“Shorter Tests with More Difficult Questions, or Longer Tests with Easier Questions: Which Do Test Takers Prefer?”
EDULEARN18 Proceedings, pp. 3840–3844 -
Kimura, T. & Koyama, Y. (2015)
“Improvement and Evaluation of a Small Scale ESP CAT”
IACAT Conference 2015, Cambridge, UK -
Kimura, T., Ohnishi, A., & Nagaoka, K. (2012)
“Moodle UCAT: a Computer-Adaptive Test Module for Moodle based on the Rasch Model”