教員紹介 - 桐原 更織

Q. 先生の研究・活動を教えてください

小児看護学の中でも、障がいや慢性疾患をもつ子どもやご家族への看護に関する研究や活動を行っています。さまざまな障がいや疾患があっても、子どもたちやご家族が、より良く、幸せに生活ができるために看護の立場で何ができるのか。この問いを考えつつ、当事者である子どもたちやご家族、多様な専門職者とともに連携しながら、本当に必要なケアが必要なところにしっかりと届くことを願いつつ、研究や活動を続けています。
また、患者会の方々や難病相談支援センター、そして、看護だけでなく多様な専門家の方々とともに「にいがた難病パートナーシップ」を立ち上げ、患者会のご希望に応じた活動を行っています。「小児看護研究会」の役員として新潟県内の小児看護の質向上を目指した活動を行ったり、「なじらね難病ケア研究会」を立ち上げて難病のある方々とかかわる専門職者間の交流や学習会を企画運営したりもしています。

Q. この分野の面白さは、どんなところですか？

子どもたちは、”可能性”の塊です。どんな子でも、障がいや疾患をもっていても、その子らしく成長発達し、表現し、遊び・生活する姿を、子どもたちがみせてくれました。このような子どもたちと出会えた臨床経験は、私の宝物です。子どもたちのもつパワーやユニークさ、輝きから、学んだり気づかされることが非常に多くあるというのが、この分野の魅力、面白さだと思っています。

授業紹介

小児看護学「先天的な障がいのある子どもと家族の看護」

この授業は、看護学部の必修科目である小児看護学の中の1コマです。この授業では、先天的な障がいをもちながら生まれたお子さんを育てていらっしゃる保護者の方においでいただき、親として今までどのような体験をしてこられたのか、看護者に期待することはどのようなことかなどについて、お話しいただいています。お子さんが生まれたときのこと、入院中の医療者のかかわり、幼い時期の様子、退院後の家での生活、幼稚園や小学校でのこと等々、貴重な体験談をお話しいただいています。ここから、さまざまなことを感じ・考えながら、先天的な障がいのある子どもやそのご家族にかかわる看護者として大事なことは何かについて学んでいく授業です。

メッセージ

”子ども”には、どのようなイメージをもっていますか？”障がい”と聞いて、何を思い浮かべますか？
誰にでも子どもの頃はありますし、障がいや疾患は、誰にでも起こり得ることです。日本では、医療技術の進歩に伴い、先天的な障がいや疾患をもちながら生活する子どもたちも増えています。
しかしながら、障がいや疾患をもつ子どもたちのLife（生命、生活、人生）のために必要なサポートや人材が、十分に整っているとはいえない状況があります。そのために、その子らしく、遊んだり学んだり、成長発達したりする機会が十分にない子どもたちもいます。
障がいや疾患のある子どもたちや家族の存在に目を向け、声に耳を澄まして、必要なサポートやケアについて一緒に考え、学びませんか？

著書

「保育の実践を支える理論と方法」第7章：医療的ケアが必要な子ども