教員紹介 - 小林 大介

准教授
小林 大介Daisuke Kobayashi
- 担当学科
- 大学院 臨床心理学研究科
- 研究テーマ
- 臨床心理学、家族心理学、家族療法、短期療法、親密な関係における暴力、家族システム
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- researchmap
Q. 先生の研究・活動を教えてください
専門は,家族療法・短期療法で,これまで学校,企業,虐待防止センターなどで心理職として勤務してきました。
研究の主なテーマは,DV(ドメスティック・バイオレンス)やストーキングの被害者に生じる恐怖感などの精神的苦痛の背景を明らかにし,その苦痛を予防・軽減する方法について考えることです。また,最近は家族内における結びつきの強さがもたらす影響にも関心があります。一般的に家族のつながりの強さは,家族の適応的な指標となることも少なくありません。しかし,絆(きずな)という漢字が「ほだし」(手かせ・足かせ)とも読めるように,強すぎる結びつきは時として家族成員に不自由さをもたらすこともあります。この強すぎる結びつきの正体とその影響を明らかにすることが最近の研究テーマです。
Q. この分野の面白さは、どんなところですか?
臨床心理学の実践や研究においては,多様な人の考え方や感じ方に触れたり,先駆者が考えた理論を学ぶことで,人の心を理解する幅を広げられる点が面白いと思います。例えば,僕が専門としている家族療法の中には「悪者はいない」という考え方があります。人は問題が起きたとき,誰しもが何らかの対処を行うといわれています。しかし,そのタイミングがずれていたり,やや不適切な場合には,問題が維持されてしまったり,悪化してしまうこともあります。大切なのは,問題に関わる人は,「誰も問題を意図的に悪化させようと思って行動しているわけではない」,という点です。一見当たり前のように思えますが,多くの対人関係の問題は,この「対処の食い違いをもたらすシステム」によって偶然に維持されているのだと知ったことは,僕にとって非常に大きな衝撃でした。
授業紹介
障害者・障害児心理学
心理学関連の国家資格である公認心理師の資格を取得するための必修科目です。身体障害や知的障害,精神障害,発達障害など皆さんもどこかで一度はお聞きしたことがあると思います。このような障害に関する基本的な理解と,障害を抱えた人々やその家族が抱える心理社会的な問題について学べる授業となります。そのほか,学校などの教育分野で働く公認心理師の仕事内容に関する講義や,知能検査に関する講義などを担当します。
メッセージ
この分野に興味を持っている方は,ぜひ日々の体験や人との関わりを大切にしてください。朝起きた後の家族での会話,学校に行くのがなんだかだるいという気持ち,クラスの中の人間関係,先生がいつもよりちょっと不機嫌そう,下校時に感じるちょっとした寂しさ,不安で眠れない夜。全て心理学で扱う対象です。普段見えている日常の景色を少しだけ別の視点から眺めてみて,自分が感じる気持ちを観察してみたり,その仕組みについて考えてみるだけでも,違った景色が見えてくると思います。そこで,得られた発見についてぜひ一緒に考えてみましょう。
著書
- 事例で学ぶ生徒指導・進路指導・教育相談(共著)
- 家族心理学:理論・研究・実践(章訳)
- テキスト家族心理学(共著)