教員紹介 - 森田 千穂

助教

森田 千穂Chiho Morita

担当学科
看護学部 看護学科
研究テーマ
母性看護学
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Q. 先生の研究・活動を教えてください

赤ちゃんが生まれ、家族が増えた喜びの裏で、一番近くにいて一番支え合いたいはずの夫婦が、思うように分かり合えず、すれ違ってしまうことがあります。これは「産後の夫婦関係の危機」ともよばれ、誰にでも起こり得る身近な出来事です。私は母性看護学・助産学を専門とし、子育て期の夫婦関係に焦点をあてた研究を行っています。夫婦がチームとして協力し合い、支え合える関係を築くことが、家族の健康を守るうえでとても大切だと感じています。
また、ICTやシミュレーション教育を活用した看護技術教育にも力を注ぎ、学生が実践的に学べる環境づくりを進めています。さらに、わが子の地域スポーツ活動に関わった経験をきっかけに、地域スポーツにおける応急手当教育にも取り組んでいます。家族と地域を支える“いのちの教育”を広げていきたいと考えています。

Q. この分野の面白さは、どんなところですか?

この分野の面白さは、「人の思い」と「つながり」が研究の中心にあるところです。
出産や子育ての時期は、家族の形が大きく変わる瞬間でもあります。喜びの中に戸惑いや葛藤があり、夫婦がどう支え合うかによって、その後の生活や家族のあり方が変わっていきます。そのリアルな姿に寄り添いながら、どうすればより良い関係を築けるのかを考えることが、この分野の魅力のひとつです。
また、地域のスポーツ活動を通して、子どもを守り育てる力が家庭や地域にあることを実感します。命をつなぐ看護や応急手当の知識を、専門家だけでなく身近な人へと広げていく――そのように“看護の力”を社会へ還元していくことを目指して、研究を進めています。

授業紹介

母性看護実践論

「母性看護実践論」では、妊娠・出産・産後・新生児期に必要な看護技術を、臨場感をもって学べるよう工夫しています。動画教材などを活用し、実際の看護場面をイメージしながら学習できるのが特徴です。母体や新生児の変化を理解するだけでなく、女性や家族の気持ちに寄り添う姿勢を大切にし、命のはじまりを支える看護の本質を学びます。

助産実践論

「助産実践論」では、母体や胎児の急変時対応を中心に担当しています。ここでは、緊急時における助産師としての判断力と対応力を養います。二つの命を守るという使命の重さを感じながら、シミュレーション教育を活用して現場をイメージし、冷静かつ的確なケアを学びます。どちらの授業も、命と真摯に向き合い、確かな知識・技術と温かい心を育てる学びです。

メッセージ

看護を学ぶ道は、決して楽ではありません。実習では、心を大きく揺さぶられるような経験がたくさんあります。もどかしさや悔しさ、無力感、そして命を預かる責任の重さに向き合う日もあります。けれど、その中で必ず出会えるのが、「自分の関わりが誰かの安心や笑顔につながった」と感じる瞬間です。その一歩が、看護を学ぶ喜びであり、成長の原動力になります。
私は、「教育で最も大切なのは感動である」という信念のもと、学生の心を動かす学びを大切にしています。看護の学びは、知識や技術はもちろん、「人の思い」に寄り添う力を育むものです。ときに悩み、ときに迷いながらも、一緒に考え、一緒に学び、共に成長していけたらと思います。

著書

  • 妊娠期の食育の新常識
  • 赤ちゃんの噛む力はお腹の中から始まる

ピックアップ

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