心理学総合案内「こころの散歩道」 / 少年犯罪の心理 / 著書
KKベストセラーズ ワニのNEW新書 2000.11
2000.10.31〜
愛知体験殺人から大分一家六人殺傷事件まで。 なぜ普通の少年が人を殺してしまったのか? 心理学から見た少年殺人事件の側面とは---。 (帯の文より) |
「〜関連書籍が多数,出版されているが,本書は,犯罪に走った子ども達の内面に迫り,心理学的観点で綴っていること,しかも冷静に分析している点で異色であり,注目に値する。一般向けに書かれているが,犯罪が発生する背景を詳しく記していることから,自治会の役員,保護司,家裁の調査官,さらにはカウンセラーなどにも一読を薦めたい。〜」 |
大阪市立大学法学部助教授三島聡先生もネット上でご紹介くださいました。
「〜青年期にある子どもたちの特徴を丁寧に論じている好著。
非行を犯してしまう少年たちの状況を理解するうえで大変参考になります。」
不可解な動機、不可解な17歳
なぜあんな普通の子が、殺人を犯してしまったのだろうか? 事件が起きるたびに世間は反応する。だが、これまでの事件は「普通の子」だから起こしてしまった悲劇なのだと本書は警告する。これはどこにでも存在しうる少年の精微な心理分析である。
(帯の裏の文より)
- 目次 -
第一章 17歳、愛知体験殺人
人を殺す体験がしたかった
快楽殺人・純粋殺人・連続殺人
甘えの喪失
感情の喪失と優等生
アレキサイミア
両親の離婚と子どもの心
愛とお金と豊かな社会
教師の子
「スーパー優等生」の嘘
精神鑑定の結果
精神鑑定とその問題点
第二章 17歳、佐賀バスジャック事件
血も凍る15時間
歪んだ優越感「我、天帝なり」
愛情欲求の表れ「目立ちたかった」
愛が裏切られたとき「あなたがた、裏切りましたね」
家庭内暴力へと走らせた優等生の挫折
変身欲求と保護願望
うらみと甘えとルサンチマン
精神科への入院
外泊を許した病院の責任
精神鑑定の結果
心の病、その種類
1心の病の原因:外因・内因・心因
2心因反応
3神経症・精神病・人格障害
4境界性人格障害・行為障害・反社会性人格障害
5精神分裂病と犯罪
6思春期危機・燃え尽き症候群・自我同一性拡散
心的外傷後ストレス障害PTSD
少年は医療少年院へ
第三章 17歳、岡山バット殺人事件
少年はバットを振りおろした
いじめから芽生える殺意
愛他的殺人
増加する親殺し
金属バットとキレる少年たち
怒りと攻撃心と暴力
幸せな家庭こそ危ない
待っていた父
独りよがりの愛「母さん、ボクをを許して!」
少年は特別少年院へ
第四章 15歳、大分一家六人殺傷事件
現代の『八つ墓村』事件
盗まれ、切り刻まれた下着
変態と呼ばれるなら、殺人者になる
吊るし上げと村八分
父に叱られるのなら殺人者になろう
いい子だからこそ起こす凶悪犯罪
よい子の犯罪 悪い子の犯罪
小さな集落が少年を追いつめた
大量殺人の心理
壊れた脳
控えめな人だからこそ犯罪に走る
非行はSOSのサイン
自尊心の傷が殺意を生み出す
強い人と弱い人
遺族の心の傷と「喪の仕事」
第五章 あなたの子供は大丈夫? 私たちの未来のために
犯罪心理学とは?
非行の心理
犯罪被害者の心理
少年犯罪は急増、凶悪化?
少年法改正問題
あなたの町にも「ジャイアン」がいますか?
「親子の対話が大切」の嘘
ビタミンI(愛)とビタミンU(遊)
心理学の罪
あとがき
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