高校受験、大学受験、資格試験受験者のための心理学、テストでの緊張、不安、アガリ予防。(新潟青陵大学大学院碓井真史)
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受験の緊張と不安に負けない方法1受験生と保護者のための心理学(受験必勝法) |
テストされるのは、誰でも嫌なのものです。心理学では、テストを受けるときの不安を特に「テスト不安」と呼んでいます。
テストの不安の中身には、
1、テストに失敗することへの恐れ
2、合格しなければならないという緊張
3、他者に評価されることへの心配
などがあります。
気持が、勉強やテストに集中できなくなります。事前の勉強にも、本番のテストにも悪影響がでます。
せっかく参考書や問題集を買ってきても、「落ちたらどうしよう」という心配が頭の中をぐるぐる回るばかりで、ほとんどページが進みません。
入試本番中も、テスト問題に気持ちが集中しません。気持ちが、テスト問題ではなく、自分自身に向いてしまうのです。
こうなってしまうと、頭がよく働かなくなります。そして、覚えていたはずのことが、思い出せなくなります。
暗記したはずなのに、試験中はどうしても思い出すことができず、試験時間が終わってリラックスしたとたんに思い出して悔しい思いをしたことが、だれしもあるでしょう。
高すぎるテスト不安は、パフォーマンスを落とし、実力を発揮できなくさせるのです。
こんなふうにならないために、テスト不安の内容の一つ一つを解決してきましょう。
テストでも、スポーツの試合でも、恋の告白でも、チャレンジすれば成功する時もあれば、失敗する時もあります。成功への希望と失敗への恐れの両方があるわけですが、心の中がどちらかの思いに支配されることがあります。
もしも、失敗を恐れすぎるとどうなるでしょう。
まず、楽しくなくなります。
汗をかいたり、不安でドキドキしたりします。
チャレンジ精神がしおれてしまい、高い目標を目指すことができなくなります。
さらに、こういう心理状態のときには、自分が失敗しないことを願うあまり、他人の失敗を願うようになります。こうなっては、受験に失敗するだけではなく、友情にもひびが入りかねません。
試験に落ちたら、死んでしまうのでしょうか。そんなことはありません。
試験に落ちたら、人生おしまいでしょうか。そんなこともありません。
多くの人々が、どこかで失敗したり、試験に落ちる経験をしていますが、ちゃんと人生の成功をつかみ、幸福になっています。
試験に落ちるのが怖いので、落ちる可能性のある試験は受けないという高校生もいます。しかし、試験をうけないので入学できないのと、試験に落ちて入学できないのは、同じはずです。
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私たちは、実は試験に落ちること自体よりも、落ちて恥をかくことを恐れています。プライドが傷ついたり、友人に馬鹿にされたりすることを恐れているのです。
あなたは、いったい何を恐れていますか。
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「絶対合格するぞ!」と決意するのは、とても良いことです。しかし、同時に万が一失敗しても大丈夫だという心の土台が必要です。
当サイト内の関連ページ
あなたは何を恐れているの?、失敗と人からの評価
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受験生の保護者の皆さんへ
この学校へ入れ、この資格を取れと、励ますのは大変結構です。しかし、その時に絶対に忘れてはいけないことは、
「たとえそうでなくても」
という思いです。
有名大学へ入れ、医者になれ、と励ますのと同時に、たとえそうでなくても、たとえ不合格になったとしても、親の愛はみじんも下がることはないと、子どもが実感していることが、とても大切です。
失敗への恐れに心を支配されるのではなく、成功への希望を持ちましょう。
勉強が楽しくなり、集中力がつきます。
「落ちたらどうしよう」ではなく、「合格したらすばらしいぞ」と思いましょう。
失敗への恐怖を勉強の動機とせず、成功への楽しみを動機にしましょう。そのほうが、ずっと楽しいし、勉強もはかどり、試験本番も実力が発揮できます。
さらに、成功への期待をもって頑張っている時には、他の人のことも応援できるのです。入試にも成功、友情も深まります。
2つめのテスト不安は、「合格しなければならないという緊張」ですが、
人生のなかで、絶対にそうしなければならないことは、とても少ないでしょう。ほとんどのことは、「そうしなければならない」ではなく、「そうした方が良い」です。
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私は今、幅30センチの間をはみ出さずに歩くことができます(別に酔っていませんから)。
ところが、もしも幅30センチの板が高さ10メートルのところにあったらどうでしょう。私はきっと足がすくんであるけません(平気で歩けたらサーカスに入ります)。
それは、落ちたらおしまいだ、大けがするか死んでしまう、絶対に落ちてはいけないと思ってしまうからです。
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試験も同じです。「絶対合格だ」という表現は良いですが、本気で落ちたらおしまいだと思い込んでしまうと、不安と緊張のために脳のパフォーマンスが落ちるのです。普段できることもできなくなります。
「合格しなければならない」と思い込んで身動きとれなくなるよりも、「合格した方が良い」と冷静に考えて、建設的で効果的な努力をしていきましょう。
3つめのテスト不安は、「他者に評価されることへの心配」です。
その試験官、学校にテストされるわけですし、その結果でクラスの友人や家族親戚に評価されると考えると、心配になってきます。
まず、クラスの仲間たちは、実は誰かがどこかの学校に落ちたからといって、そんなにバカにしたりしないはずです。みんな自分の受験に一生懸命ですから、他人をさげすむようなヒマはないでしょう。自分が思っているほど、他人はあなたのことを気にしません。(応援してくれる友人や心配してくれる人はいるでしょうが)。
周りの大人が無神経なことを言っても、今の学校の難易度や入試制度も知らず、あなたのがんばりも個性も理解してくれない大人が何か言っているのですから、聞き流しましょう。
そんな人ではなく、あなた自身のあなたへの評価、あなたが心から信頼している人のあなたへの評価が大切です。
そして、あなたがそれほど信頼している人なら、あなたが「世界に一つだけの花」だと、きっと理解してくれるはずです。
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愛の押し売りは子どもを苦しめます。理屈だけでは、子どもは納得しません。あなたのことが一番好きだと、上手に子どもに伝える方法について考えましょう。
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後半では、さらに受験と緊張に負けないための具体的方法をご紹介します。
→「受験心理学:緊張と不安に負けない方法2」 へ進む
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