お父さんための子育て法
(新潟青陵大学大学院碓井真史)心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座)/心理学入門/父の日・父子関係
父の日に考える父子関係の心理学悩むお父さんへの子育てアドバイス |
あなたが、良い父親になりたいと本当に願っているなら、きっと大丈夫です。きっとなれます。まずは、願うことから始まるのですから。
でも、良い父になりたいと願っているのに、今まで思うようにいかないことも多々あったでしょうか。
生物学的には、母親がいて家族が始まります。しかし心理的、社会的には、父親が「これが私の家族だ」と宣言することで、家族が始まります。父親の役割は大きいのです。子どもの学校に出す書類の「保護者氏名」のところには、たいてい父親の名前を書きます。ということは、本当は保護者会は父親が集まるべき会でしょうか。
一言でいえば、「気は優しくて力持ち」の男性でしょう。
イメージとしては、暴風雨の吹きすさぶ嵐の中、自分の後ろに家族のみんなを集め、自分は先頭に立って家族の風除けとなり、後ろの家族を優しく気遣いながら、でも前を向き、力強く歩んでいる姿です。
「みんな、大丈夫か! 父さんがついてるぞ! しっかりしろ! 負けるな! しっかり後についてこい!」
こんなイメージです。
強い父親になろうとしているのに、
ただ怖いだけの父親になっている人もいます。 怒鳴るだけ、暴力をふ売るだけ、の父親では困ります。
優しい父親になろうとしているのに、
ただ弱いだけの父親になっている人もいます。 頼りない父親では困ります。
*お父さんは、どうも口下手です。なかなか思いが伝わりません。馬鹿正直に、理屈っぽくなったりもします。思いを伝える工夫も必要ですね( 『人間関係がうまくいく 図解 正しい嘘の使い』:愛の押し売りは子どもを苦しめます。理屈だけでは、子どもは納得しません。あなたのことが一番好きだと、上手に子どもに伝える方法について考えます)。
母の役割はつなぐ役割、父の役割は切る役割などといいます。
優しく抱きしめる母親に対して、世の中の厳しさを教えるのが父親の役割です。
母親が過剰に役割を果たそうとしてしまうと、甘やかす母親になってしまいます。こんなとき、多くの父親は不愉快に感じます。そして、
「もう、大きいんだから、一人でやらせればいいだろう」といったことを言うわけです。
***
ところが、父親が過剰に役割を果たしてしまうと、子どもの努力や悲しみを感じられず、「やめてしまえ!」「もう知らん!」「出ていけ!」といった態度をとってしまいます。体罰に走ることもあるかもしれません。
いつもこんな態度をとっていれば、それはただ怖いだけの父親です。
切る役割をもっ散る父親が、社会の厳しさを教える音は良いことです。お母さんから見れば、ちょっと危ない乱暴な遊びをさせるのも良いことです。お父さんが、いやがる子どもをお化け屋敷にさせうのも、父親としての切る役割の表れで、良いことです。
でも、限度はあるでしょう。
あなたの思い通りには、子どもは育ちません。切る役割が強すぎると、子どもは不安になってかえって気が小さくなったり、あるいは反発してくることでしょう。
夫婦が協力し合って、適度につなぎ(優しく)、適度に切る(厳しく)。これが良い父と母です。
・体罰の心理学:限界と副作用(危険性):心理学総合案内こころの散歩道
様々な問題が起こる家庭の典型的なパターンが、遠すぎる父、近すぎる母です。無関心な父と、過干渉で溺愛する母と言ってもよいでしょう。
何もしない父い親も「遠すぎる父」ですが、子どもから見て、金を与えるだけの父や、叱るだけの父、
父親が仕事のことしか考えなかったり、外に愛人を作ったりして、家族を顧みなくなると、母親は不安になり、子どもとの関係にのめりこみます。
子どもは母親に飲み込まれるような不安を持ちながら、それでも母親に過剰に保護され続け、強さを育てることができません。その結果、思春期青年期に挫折して、問題行動がうまれるのです。
子育てて、どうしたらよいかわからないことも多いでしょう。でも、ともかく子育てにかかわりましょう。母親の子育ての悩みを聞いてあげるだけでも効果的です。
以前は、母子関係の問題がよく言われ、子どもの問題を考えるときに「母源病」なんて言葉を使う人もいましたが、しかし実は父親の存在が大切なのです。(厳しすぎた父、無関心な父の家庭からうまれた青少年犯罪者→ 『誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』:愛される親になるための処方箋。)
友達の様な父親は、子どものケンカしなくてよいでしょうか。でも、家族に危機が訪れた時、子どもと並んで歩くような優しい父というだけでは、困難を乗り越えられません。
学校の中の研究ですが、クラス内でいじめが起こるような困ったクラスの担任には、次の二つの種類があります。
一つは、怖いだけの先生。怖く厳しい態度を子どもがまねて、弱い子をいじめます
もう一つが、優しいだけの先生。厳しさがなく、教室内の秩序が乱れ、弱肉強食の世界になってしまいます。
やさしさと、そして強さも、父親には必要です。
子どもは母に愛されたいと願い、父に認められていと願っています。あなたの目から見て、まだまだ不十分だと思っても、どうぞ子どもを認めてあげてください。
自慢の息子、自慢の娘だと、子どもたちは思われたいのです。
子どもを甘やかすのではありません。
けれども、しっかりと支えてくれる父親がいて、そこで初めて子どもは巣立つことができるのです。(こんな父親になりたい→絵本 『たいせつなきみ 』に出てくる彫刻家のように)
「お父さんからほめられると、子どもは、学校や社会へ出ていく自信を持つようになる」とアドバイスする専門家もいます。(『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 』)
このページを読まれているような方は、決して無関心な父親ではないでしょう。むしろ、熱心で子どもの扱いがうまい人もいるかもしれません。そんな人は、うっかりすると母親を批判したくなります。
でも、
父親が子どものためにできる最善のことは何か、それは、その子の母親を愛することです。
そうすることが、めぐりめぐって、子どもにとってとても良いことになるのです。
父の日に「ありがとう」と言われ、父の日のプレゼントをもらうことは、父親としてはとてもうれしいことでしょう。(普段、母親よりも影が薄く、父の日も母の日と比べてぱっとしませんから、それでも「ありがとう」と言われプレゼントをもらえたら、こんなにうれしいことはありません。)
でも、「父の日ありがとう」は、父のためだけのものではありません。
なぜなら、
「お父さん、お母さん、ありがとう。お父さんのこともお母さんのことも大好き!」と言える子どもは、例外なく幸せな子どもだからです。
「お父さんありがとう」と言われ、父の日のプレゼントをもらえるような父親になりたいと思います。それが、子どもの幸せにもなるのですから。
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BOOKS:マックス・ルケード著 『たいせつなきみ 』(絵本) いのちのことば社
優れた人には金のシール、だめな人には灰色シールをくっつけあって暮らしている世界。ダメ印シールばかりだった主人公が、本当の自分の価値に気付きます。君もかけがえのない存在なのだとわかる絵本です。私はあちこちの講演会で朗読しています。
ウェブマスター碓井真史著 『誰でもいいから殺したかった! 追い詰められた青少年の心理』
秋葉原通り魔事件の青年も、県下一の高校出身でした。学力を高めるだけでなく、愛される親になるための方法について考えます。親を愛せることが、子どもにとっても何よりの幸せだからです。
ウェブマスター碓井真史著 『人間関係がうまくいく 図解 正しい嘘の使い』
愛の押し売りは子どもを苦しめます。理屈だけでは、子どもは納得しません。あなたのことが一番好きだと、上手に子どもに伝える方法について考えましょう。
『心に氷を抱いて―親を愛せなかった子の道のり 』
親を愛さえなかった子どもの苦しみと心の癒し。オススメです。
『父親の7つの行動―お父さん、今こそあなたの出番です 』
『お父さんのための1日10分、本気の子育て 』
『頭のいい子が育つパパの習慣 (PHP文庫) 』
『父親がわが子に必ずやっておくべき30のこと―「仕事人」と「よき父親」を両立させる方法 』
『忙しいパパのための子育てハッピーアドバイス 』
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