心理学総合案内「こころの散歩道」/心理学入門講座子ネコの道/1、心の世界、物質の世界(新潟青陵大学碓井真史)
1 こころの世界とモノの世界 |
私たちは体を持って、モノの世界に住んでいます。ご飯を食べなきゃお腹がへるし、後ろから押されたら、倒れちゃう。でも、同時にこころの世界にも住んでいます。「勉強しろ!」なんて怒られると、かえって勉強したくなくなります。モノは、押した方向に動きますが、こころはそうとは限らないのです。
何でも精神論で考えるのも困りますが、それでも私たちにとっての現実は、モノ自体の世界ではなく、感じ方の世界なのです。イヌが恐い人にとっては、どんなに小さなイヌでも、そこに恐いイヌがいるというのが、現実です。
世の中に悪人はいないと思っている人もいれば、悪人ばかりだと思っている人もいます。それは、ただの思いこみではありません。それが、その人にとっての現実なのです。そしていったんそう思ってしまえば、その考えで人と接するようになります。その結果、周りの人が実際に親切にしてくれたり、意地悪をしたりするようになるでしょう。
私は人前で話なんかできないと思ってしまえば、緊張して話せなくなってしまいますし、私にもできると思えれば、堂々とスピーチできるのです。モノの世界の現実とは別に、どう思っているかというこころの世界、それが私たちにとっての現実になるのです。
モノは使えば減ります。ところが、こころの世界は違うのです。何かやりがいのあることを見つけて、活動しているときには、生活全体が充実し、忙しい中でも時間のやりくりをして、ますます元気に生きていけるでしょう。
逆に、職場や学校がおもしろくなくって、だらだらとすごしてしまうと、そうすればその分こころのエネルギーが余るはずですから、他のことはエネルギッシュにできるでしょうか。たいていの場合、生活の他の面でもやる気を失ってしまい、どんどん元気がなくなりそうです。こころのエネルギーは、使うと減るどころか、使えば使うほど増えるのです。あなたが進んで、喜んでやっていることなら、こころのエネルギーは、どんどん湧いてくるでしょう。身体は疲れますけどね。でも、充実した仕事や遊びの後の体の疲れは、快い疲れです。それに比べて、何もしなかった、できなかったときの、けだるさや無力感は、とても不愉快なものです。
さあ、この不思議なこころの世界へ、
出かけることにいたしましょう。
心理学入門| 社会心理学(対人心理学)| 心の癒し(いやし)・臨床心理学| やる気の心理学| マインドコントロール| ニュースの心理学的解説| 自殺と自殺予防の心理学| 犯罪心理学・ 少年犯罪の心理学(非行の心理)| 宗教と科学(心理学)| プロフィール・ 講演| 心療内科| リンク| 今日の心理学(エッセイ) | 掲示板|ホーム・心理学|
BOOKS
『新・心理学入門 (岩波新書)』 宮城音弥 著 岩波新書
『心とは何か』 宮城音弥 著 岩波新書
『おしゃべり心理学(エッセイの小径)』 小西 聖子 著 朝日新聞社
☆ウェブマスター碓井真史(うすいまふみ)の本☆
『人間関係がうまくいく 図解 嘘の正しい使い方 :ホンネとタテマエを自在に操る心理法則』 2008
上手な愛の伝え方、追い詰めない叱り方 人間関係の心理
『誰でもいいから殺したかった :追い詰められた青少年の心理』 2008
愛される親になるための処方箋。自分を探し続ける青年たち。無差別殺人の心理。
『ふつうの 家庭から生まれる 犯罪者』 あなたは子どもを体当たりで愛していますか。家族の心理
『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』 17歳の犯罪者たち 親子の心理 犯罪心理 非行の心理