昨日、警官に襲いかかった少年が銃で撃たれる事件がありました(最近の少年犯罪)。ヤフーの掲示板などを見ると、警官の行為は「正当防衛」であり間違っていないという意見が多いようです。 * さて、その事件はさておき、一般論として。 正当防衛という法律用語は、普段の会話でもよく聞きますね。ただ、実際の法律上は、そう簡単には正当防衛とは認めてくれないようです。 ちなみに、正当防衛に関する法律には、こうあります。 「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」 昨日やられた仕返しを今日するようなときは、緊急の場合ではありませんから、正当防衛にも、過剰防衛にすらなりません。 緊急の場合で、自分や他人を守るために、どうしようもなくてやった行為でなければなりません。そして、そういう行為でも、「防衛の程度を越えた行為」は、過剰防衛となり、場合によっては罰せられることもあります。 自分や家族の身が危ないとき、そんなに冷静になれる人はいませんから、後から法律家が見れば、過剰防衛と言われるようなことをしてしまうのでしょう。 後になって、冷静に考えても、やられたこと以上のことをやってしまいがちなのが、人間です。 子どもたちをぐるりとまわるく並ばせて、順番に前の人の頭を叩かせます。一番最初の人は、弱く叩きます。自分が叩かれたのと同じ強さで、前の人を叩きなさいと指示します。 目には目をというのは、とても厳しい態度のようでもありますが、反面、それ以上のことはしてはいけないという意味もあります。 動物は、普通は必要以上の攻撃はしないし、過剰防衛をすることもないのですが、人間は難しいですね。 (犯罪者はもちろん悪いことをした人間ですが、だからといって、「殺してしまえ!」などという意見が出てくるのも、過剰な反応でしょうか。) |
BOOK
『「うらみ」の心理―その洞察と解消のために』
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