こころの散歩道 DAY by DAY今日の心理学 2000.11.9
今、歯の治療をしています。今日は、親知らずを抜きました。これで3本目なのですが、どれもほとんど表面に出ていない歯だったので、なかなか大変でした。 「痛かったら、手をあげて教えて下さいね。」 最近の歯医者さんは、痛みについてとても気を使って下さいます。 でも、私としては、どの程度の痛みなら手を上げてよいのか、良くわかりませんでした。前回、途中まではまったく痛みはなかったのですが、いよいよ抜くときになって、かなり痛くなったのを、一生懸命がまんしました。 なぜ、がまんしたのか。 1 これは治療に伴う痛みであり、がまんすべき痛みであると誤解した。 2 男として、痛くてがまんできないなどと言いたくなかった(私は普段、男らしさなんかぜんぜん表さない人間なのですが)。 3 医療スタッフに面倒をかけない「良い患者」になろうとした。 しかし、今日は、 「少しでも痛かったら、手を上げて下さいね。うすいさんはがまん強いほうだから......」と言われて、 「なあなんだ、痛かったら言ってもいいのかあ」と、ようやく理解しました。 そこで、今日は途中で何回か麻酔を追加してもらって、痛みという点では、前回よりも楽でした。私にとってだけではなく、医療スタッフにとっても、その方が、良いことだったのです。 さて、歯の治療に限らず、私たちはいらないがまんをしすぎることがあります。体の痛みも、心の痛み苦しみもそうです。もちろん、がまんすることが必要なこともたくさんありますが、いらないがまんはやめたほうがいいですよね。 私自身が今回失敗したように、がまんしなくてもいいものを、がまんすべきだと誤解したり、弱音をはくことを必要以上に恥ずかしいことだと感じたり、「良い人」になろうと思いすぎたり。 人生には、どうせ苦しいことはやって来る。本当に苦しいことと戦うことができるように、いらない苦しみまで背負い込むのは、やめたいものです。 |
*補足 がまんしすぎるのは困りますが、たとえば、子どもには必要な我慢もできるように教育したいとは思いますよね。そのためにはどうしたらよいか。 まず、愛で包む。そして、がまんすれば良いことがあるという体験をさせてあげることです。 |
BOOK
『自己抑制と自己実現―がまんの心理学 (講談社現代新書)』
『「がまんできる子」はこう育てる (PHP文庫)』(多湖 輝)
『我慢するのはおやめなさい―「脳疲労」時代の健康革命』
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