幸せを見つける力、セレンディピティーの心理
心理学総合案内「こころの散歩道」/今日の心理学

● 小さな幸せ 
幸福になるための心理学(セレンディピティー)

こころの散歩道 DAY by DAY今日の心理学 2000.11.6

 デジタル時計が、11時11分。ワーイ、オール1だあ! 何となくうれしい。まあ、こんなつまらないことではなくても、生活の中には小さな幸せがたくさんあります。(たとえば、車の走行距離メーターがちょうど50,000kmとかネ。)

 美しい夕陽、きれいな虫の声、さわやかな朝のあいさつ。美味しいおかず。すれちがった美男、美女。小さな親切(してもらったり、こちらがしたり)。心温まるようなこと。ちょっと面白いこと。

 ものすごい感動的な出来事は、そう簡単には起らないでしょうが、私たちの生活には、小さな幸せがあふれています。

 心が健康なとき、良い人間関係に恵まれているとき、私たちの目には小さな幸せが見えます。たわいないことで面白くなり、たわいない話を家族や友人と楽しむ。人生は、まんざら捨てたものじゃない。

 心が弱ってくると、小さな幸せが見えなくなります。会社も学校もつまらない、だれも自分をわかってくれない。人生は無意味だ。だれも自分を愛してくれない。

 私が住んでいる新潟の夕陽は、感動的なほどすてきです。職場の廊下の窓から、日本海に沈む大きな夕陽が見えます。あまりきれいなときは、同僚達と一緒に、しばし夕陽見物です。

 あなたの町で、一番夕陽がきれいに見える場所はどこですか。

 もう何年も、夕陽が沈む瞬間なんか見たことがない人もいるでしょう。でも、あなたの町にも、夕焼けがあり、あなたの町にも、きっと夕陽を楽しんでいる人がいることでしょう。

 心の病気になった人が、だんだん回復してくると、ほんの小さなことですが、人に感謝する気持ちが湧いてきます。人の役に立とうという気持ちも湧いてきます。それが、回復のしるしです。そして、平凡な日常生活を楽しむことができるようになります。

 うつの人は、夜布団にはいると、今日できなかったことが気になって、眠れなくなります。でもそうではなくて、今日できたことを数えましょう。

 私たちのまわりには小さな幸せがあふれています。

 目を開けば、ほら、見える。

 心を開けば、ほら、感じる。

(そうはいってもねえ、落ち込んでいるときには、そんなのぜんぜんわからないんだよねえ。でも、わからないとしても、小さな幸せがあふれていることは事実です。都会では星は見えないけれど、どの町の上にもたくさんの星が輝いているのが事実です。)

補足:出会い、幸せを発見する力を、「セレンディピティー」とも言います。





BOOKS

セレンディピティー―思いがけない発見・発明のドラマ
「幸福な偶然」(セレンディピティ)をつかまえる』96歳の現役医師日野原重明著


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