2019年11月10(日)に本学を会場に天皇陛下御即位記念 第34回国民文化祭・にいがた 2019 第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会 障害者芸術・文化事業「ニイガタヒューマンライブラリー2019@SEIRYO~あなたを知って、私を知りたい~」が開催されました。また併せて同日には関連企画としてコラムニスト伊是名夏子氏講演会「身長100cm 車椅子のママの子育て~みんなと同じだけど、ちょっぴり違う~」、日比野則彦氏(sax・pf)、日比野愛子氏(vo)による「天上の音楽~ハートケアコンサート~」も開催されました。
事業を担当した関久美子 短期大学部人間総合学科准教授、矢田奈央さん(社会福祉学科4年)、小林咲紀さん(人間総合学科2年)にご寄稿いただきました。
ヒューマンライブラリーは、「人を貸し出す図書館」。図書館で多様な本と偶然出会うように、普段の生活の中では触れ合うことのできないさまざまな背景を抱えた人々との直接的な対話を、一対一や少人数で行う体験です。北欧デンマークで2000年に始まり、現在世界90カ国以上で開催されています。
11月10日(日)新潟青陵大学・短期大学部で2回目となるヒューマンライブラリーが開催されました。今年は第34回国民文化祭・にいがた 2019 第19回全国障害者芸術・文化祭にいがた大会 障害者芸術・文化事業のひとつとして県の委託を受け本学の社会連携センターが実施しました。県がヒューマンライブラリーの意義をみとめ、県の事業として開催されることは日本では初めてのことです。また「学生司書プロジェクト」として青陵大学・短大から総勢30名の学生が運営に参加してくれました。
今回は、身体的・精神的な障害や問題を抱えた方やそのご家族、セクシャルマイノリティとされる方、DVを経験された方、病気を抱えた方、福祉面での様々な支援者、特殊な職業を経験される方など20名が多様な「本」として参加し、県外からも含め約150名の方が「読者」として「本」のみなさんとの「読書(対話)」をしました。さらに特別関連企画として、コラムニスト伊是名夏子氏の講演会や、天上の音楽~ハートケアコンサート~なども開催、のべ300名近い方々にイベントを楽しんでいただきました。また今回はヒューマンライブラリーが新潟日報やNHKで取り上げられるなど、この取組みを多くのみなさんに知っていただくとともに、各方面から自分の地域やコミュニティーで「ヒューマンライブラリーをやってみたい」という声があがっており、今後も新潟においてのヒューマンライブラリーのさらなる発展が期待できそうです。
(関久美子 短期大学部人間総合学科准教授)
大学生活を送る中で、「学生の間にたくさんの人に出会いたい」という気持ちがあったため、偏見を持たれやすい方をはじめ、様々な属性を持つ方々と対話ができるヒューマンライブラリーに魅力を感じ、参加しました。
私は昨年から学生司書として参加していたのですが、あらすじづくりなどを通し、たくさんの「本」の方にお会いする中で、自分の経験も「本」として話せるのではと思い、昨年は学生司書と同時に「本」としても参加させてもらいました。「読者」の方に30分で自分の思いや経験を伝えるのはとても難しいです。しかし難しさ以上に、「読者」の方の意見や思いが聞けたり、自らの経験を認めてもらえたりする30分間は、「読者」だけでなく「本」にとっても貴重な時間であると思いました。
ヒューマンライブラリーに関わる前は、様々な方に出会う機会が少ないと思っていましたが、今は「自分が気づいていないだけだ」と強く感じます。自分の中にある偏見に気づき、それを乗り越えて関心を持てばいくらでも出会うことができるし、視野を広げることができると思います。これから社会に出ても、ヒューマンライブラリーでの出会いと気づきを忘れずに、自分自身や周囲の方々と向き合っていきたいです。
(社会福祉学科4年 矢田奈央さん)
私は短大1年生の時にヒューマンライブラリーに「読者」として参加してました。普段生活していてお話をすることがないであろう様々なマイノリティーの方々との対話を通して、自分の視野が広がり、「本」の方の前向きさに心を打たれ、そしてこの活動に関わってもっと豊かな人間になりたいと思い、今年度は「学生司書(スタッフ)」として参加しました。
主にイベントの運営がメインの活動なのですが、「司書」ということでまずは「本」のことをよく知っていなければなりません。最初に「司書」は それぞれ担当の「本」の方と実際にお会いし、対話をし、「読者」の方に分かりやすく伝わり、「読みたい(対話したい)」と思わせるような「あらすじ(紹介文)」を考えます。私はダウン症のお子さんをお持ちのお母さんの「あらすじ」を担当しました。「あらすじ」作りでは、ただその人の属性の説明をするのではなく、それによって「読者」にどんなことを伝えたいかということを意識しました。
ヒューマンライブラリーの「学生司書」を経験して、偏見や決めつけにとらわれずに柔軟な考えを持って生きることの素晴らしさを実感しました。また、「本」の方や「読者」の方、関わってくれた方々がみんなあたたかくて、人との出会いやコミュニケーションをこれからも大事にしていきたいと心から思いました。
(人間総合学科2年 小林咲紀さん)
【ヒューマンライブラリー】
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【伊是名夏子氏 講演会】
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【天上の音楽~ハートケアコンサート~】
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