2023年11月14日
<大きな羅針盤を共有>
今年度の上半期が終わる9月末に、10月からの下半期の「青陵学園 理事長ミッション」を考えてみました。
関係者の協力のお陰で5月までに「2040将来ビジョン」「青陵ミッション」の策定を終え、8月には学外理事や評議員も招いて発表・報告会を開きました。2040年に向けて進んでいく「大きな羅針盤」を共有できたわけで、今後はビジョンを実現する上で重要なステップとなる「中期計画」(2025~5年間)策定が大きなポイントになります。
<改革・提携も大きく前進>
そんな状況下、中期計画づくりの先行作業を担う改革チームでは、高校チームが「改革報告案」を7月末に答申。短大チームも2グループで活発な議論を展開してくれています。両部門で共通の課題となっている「通信制併置」については、通信制教育の実践に向けて大手通信企業とのリモート会議を継続。通信制教育への考え方・志を共有できることを確認して9月下旬に「業務提携協定」を締結しました。今後さらにパートナーシップを強固にしながら「協働事業」を展開できるレベルへと前進していきます。
この「業務提携協定」以外にも、多くの団体・組織と「包括連携協定」を締結してきました。これは「青陵単体でできることは限りがあり、ネットワーク型の運動体を目指す」との考えを具現化したものです。また、コロナ禍が収束に向かう中、地域との関係も「復活・発展」に向かいつつありますし、学園の将来を左右する「海外との連携」では以前からのコットンネ大学(韓国)との交流を再開すると共に、サンカルロス大学(比セブ島)と学園が包括連携協定を結びました。これは新潟・フィリピン協会のご尽力があって実現したもので、今後の交流がやりやすい土台もあると期待しています。
<激しさます「少子化の荒波」>
一方ではコロナ禍もあって、日本を襲う少子化の荒波がさらに激しくなることが確実となっています。先の「理事長室から」で記述したように、今年度、全国で短大の9割、大学も5割以上が定員割れとなっています。従来通りの取り組みをしていては生き残れないことは明白です。そんな大状況がある一方、本学園は財務基盤が県内の主な大学法人と比べても脆弱であるにもかかわらず、人件費比率が最も高い状況になっています。こんな「歪な船体」で、少子化の荒波を乗り切れるのか、懸念は大きいと言わざるを得ません。将来ビジョン実現へ、財政改革がやはり必要と痛感しています。
<学生・生徒たちに「青陵ライフ」満喫を>
こんな状況を踏まえると「全体ミッション・大目標」は、やはり「2040将来ビジョンへの着実な前進」と考えました。また、大目標を実現するために「4つの具体目標・その推進策」を提起してあります。さらに教職員から出された意見を入れて<学生・生徒たちに向けて「スペシャル・ミッション」>を追加しました。内容は、「学生・生徒たちに『青陵ライフ』を満喫してもらい明るく、胸を張って次のステップに進めるよう努める」―となっています。
今年度は長いコロナ禍から抜け出した特別な年度です。学生たちがキャンパスライフを楽しめる環境が4年ぶりに戻ってきました。高校はこれまでも何とか校舎内での学習活動を続けてきたとはいえ、生徒たちの高校生活は大きな制約を余儀なくされてきました。今年度は我慢・制約から解き放たれる、大きな転機です。この流れを考えると、今年度の下半期、青陵で学ぶ学生・生徒たち(特に今年度が最終年度となる大学4年生、短大2年生、高校3年生たち)には、できる限りキャンパスライフ、スクールライフを楽しんでもらい、青陵での良い思い出をつくってほしいと願っています。そんな思いを込めて、「スペシャル・ミッション」を追加しました。
<「青空祭」さらに盛り上げを>
この思いは、4年ぶりに開催された学園祭「青空祭」(10月28、29日)を体験して、一層切実なものとなりました。私にとっては初の「青空祭」で、模擬店やステージも結構にぎわっているように感じましたし、活動に参加した学生たちは飛び切りの笑顔を見せてくれていました。ただ、以前から「青空祭」に関わってくれた先生方に聞くと「出店数などはコロナ前の半分以下」「ほとんどの学生たちが青空祭は初めてなので、ノウハウが伝わっておらず、出店などを見送ったゼミも多かった」とのことでした。「部活が以前のように活発にやられておらず、その影響もあった」との見方も聞きました。
学園祭はキャンパスライフの中で「一番の華」と言ってもよいものでしょう。学生たちに、さらに良い思い出を作る機会にしてもらいたいと思います。今後は、青空祭ですごく盛り上がっていた頃の卒業生に意識して学園にきてもらうようにして、学生たちに話をしてもらうとか、新しい楽しさを創り出すとかの工夫も必要と思います。地域や高校生も巻き込んで、コロナ前以上に盛り上がる青空祭にしていきたいと強く思いました。学生・生徒たちのため、「スペシャル・ミッション」の遂行を全教職員が心掛けてほしいと願っています
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<「各課別ミッション」も>
「2023年度下半期ミッション」は、理事長ミッションを基に学園事務局の各課から作成してもらった「各課別ミッション」を加えて、今週月曜日の「学内理事会」に提示。了承を頂戴しました。席上、「課別ミッションだけでなく、社会連携センターなどの各種センターや学内の委員会などを含めたミッションにしていくべきではないか」などのご意見もいただきました。青陵学園がこれから、どの方向に向かって、どのように頑張ろうとしているのかーこのことを外部の方に広く知ってもらうことは重要です。2024年度にはさらに学園全体の方向性が分かりやすく伝えられるよう、ミッションを進化させていきたいと思います。ご助言をお願いします。
以下、確定させた「青陵学園ミッション」を掲載します。よろしくお願いします。
*「新潟青陵学園2023年度(下半期)ミッション」* 2023年11月6日 |
<全体ミッション・大目標> ―新潟青陵学園を持続可能にするため「2040将来ビジョン」へ着実な前進を図る―
・学園事務局、幼稚園、高校、短大、大学、大学院の中期計画策定の具体作業を推進する(対象=全員、責任者=推進本部長、学園事務局長、各校種のトップ) ・推進本部のほか、設置、あるいは近く設置される7つの改革チームなどの作業を全力で遂行、あるいは支援する(対象=全員、責任者=推進本部長、各チームのリーダー) ・校種やチームの枠を超えて、学園の近未来に必要な施策を議論する組織を年内に設置する(推進本部メンバー、責任者=推進本部長)
・本学園の財政状況を他学園などと比較し、全教職員が共有する資料を作成する(作業=財務・総務・企画課 責任者=樋口次長、推進本部長) ・共有した資料を基に財務適正化計画を作成し、全教職員に周知する(推進本部メンバー、責任者=推進本部長) ・校種別、並びに学園事務局の財務適正化実施・年次計画を作成し、遂行する(対象=おそらく全員、責任者=推進本部長、各校種のトップ、学園事務局長)
・2023年度上半期の人員・陣容を基に、下半期以降の「教職協働計画」を作成する(作業=推進本部メンバーら、責任者=本部長) ・2025年度に設置予定の「ソーシャルイノベーションセンター」を「教職協働のモデル」となるよう留意して同センター設置計画づくりを指導・支援する(作業=推進本部ら、責任者=推進本部長) ・地域や企業、行政、連携協定団体などとの共同作業を推進すると共に、その作業が「真の協働」になっているかを点検し、必要があれば是正しながら協働事業の拡充を図る(責任者=共同作業のリーダー、推進本部メンバー、推進本部長) ・「健康経営」の観点から学園内業務はもとより、学園外とのパートナーシップのあり方を監督・点検し、問題があれば是正させる(責任者=各組織の長、中平理事、理事長) ・「健康経営」や「職場の民主化」の観点から、自らや関係者の働き方を点検し、気になる点があれば躊躇せずに声を挙げる(対象=全員、責任者=各組織の長、衛生委員会メンバー、理事長) (4)その他=2022年の「理事長ミッション」、今年発出した「青陵プロミス」、進行中の「青陵将来ビジョン」などの諸計画について進行状況・到達点などを点検すること ・その中で特に意識してほしいこと=「学園の一体感づくり」、「健康経営の実態化」、「エンロールマネジメントの視点に立ち、生徒・学生・保護者・同窓会・地域・企業などの満足度を高めるよう努める」こと、「新型コロナ対応で得た知見・ノウハウ(リモート授業などの学習法やリモート会議などを活用した遠隔交流、感染症対策など)を今後の学園活動に活かすよう努める」こと ・2022年度ミッションなどの中で現在の状況に合わなくなっているもの、到達不能と思えるもの、計画相互に矛盾点が出てきているものなどについては、上司やビジョン推進本部メンバーに申告し、意見交換して今後の方向を確認すること ・現場からの具体提言・実践の展開=(例)「青陵学園ブランド」など、基本方向が定まっているもので、実際のブランド品・ギフトづくりなど、具体作業を推進した方が良いものについては、関係者・上司らと意見交換し、各組織で実現できるものは実践する。また、大きな単位で意志決定すべきものは、それぞれの組織に挙げること (例)キッチンカーの導入、学食の一部開放など
学生・生徒たちに「青陵ライフ」を満喫してもらい 明るく、胸を張って次のステップに進めるよう努める |
<各課別ミッション> =2022年度のミッションの到達度を確認し、以下に示す新たなミッションに取り組むこと= |