図書館の貴重書を電子化して公開しています。
ナイチンゲールの貴重書
『Life and death of Athena, an owlet from the Parthenon』
Frances Parthenope, Lady Verney, 1855
アテナの生と死
ナイチンゲールがペットとして飼っていたフクロウのアテナへの愛情と惜別を描いたもので、ナイチンゲールがスクタリに出発した後、ナイチンゲールの姉のパーセナピが挿絵をつけて描き残したものといわれている。 ナイチンゲールは、アテネのアクロポリスで少年に苛められていた小さなフクロウを救い、その後自分の友のように愛玩していた。 しかし、ナイチンゲールと共にクリミアへ旅立つ準備に追われ、ほんの数日間留守にした時に、アテナは看取られることなくさびしくこの世を去った。ナイチンゲールは、アテナの遺体を保存するために、クリミアへ旅立ちを遅らせ、小さなアテナの遺体を手にして涙に明け暮れたといわれる。 本資料は、そのオリジナルの写本をリトグラフ印刷で複製したものである。
『Notes on nursing : what it is, and what it is not』
Florence Nightingale, Harrison, London, 1860
看護覚え書
『Notes on nursing』はナイチンゲールの最も有名な著作で、看護師にとっての座右の書となっていて、日本でも『看護覚え書』として何種類もの本が出版されている。また、看護の分野に限らず、19世紀の社会改革に関する文献中の傑作であると言われるほど社会的に大きな影響を与え、現在でもその内容は古くなることはなく、永遠性を備えている。
1860年1月に出版された当時も2ヵ月で15,000部が売れ、1960年7月には第2版「改訂・増補版」が発行され、1961年7月には第3版『Notes on nursing for the laboring classes』が発行された。
本書は1860年1月に出版された初版のなかでも大変希少な第1刷である。