新潟青陵学会第14回学術集会を開催しました

心の支配は、今大きな話題となってます。カルト宗教によるマインドコントロールから、どのように人々を守るのか。新しい法律の策定も議論されながら、連日マスコミを賑わしています。そこで今年の新潟青陵学会学術集会は、「自由な心・支配される心」をテーマとし、11月5日(土)に開催いたしました。コロナ禍が続く中での、3年ぶりの対面開催であり、学内外300人の参加者を得ました。
午前の基調講演は、マインドコントロール研究の第一人者である西田公昭先生(立正大学教授)をお招きし、「なぜ人は操られ支配されるのか」とのテーマでお話しいただきました。西田先生は、マインドコントロール研究でいくつもの学会賞を受賞するとともに、オウム裁判での精神鑑定人をつとめ、政府の委員会に参加し、また日本脱カルト協会の理事でもあります。
今回の基調講演では、心理学的な心のメカニズムの説明と共に、具体的な事件の解説もあり、参加者からは「マインドロールについての話が凄く身になった」「社会のあらゆる行動に私たちは注意して生きていかなればならないと感じた」などの感想がありました。
午後の個人発表では、3名の本学教員によるオリジナリティーあふれる発表がありました。参加した学生たちからは、「これから自分たちが看護研究をするためのとても良い手本となった」「こんなふうにして研究が行われるんだということが分かった」などの感想があり、教員自らが研究している姿を見せる重要性を再認識しました。
引き続き行われたシンポジウムでは、霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士、DV問題に立ち向かう民間団体のスタッフ、特殊詐欺を担当する警察官らをシンポジストとし、西田先生を助言者として活発な議論が行われました。
フロアからも多くの質問も取り上げたため、「様々な立場の方の話を聞き、様々な意見の交換が活発に行っている状況を見聞きすることができてとても有意義な時間になりました」「私たちの素朴な疑問に対して専門家の方々が丁寧に回答してくださっていて、なるほどと感じたり初めて知ったりすることがたくさんあり興味深かった」などの感想がありました。
専門家からの話だけでなく、参加者との交流の大切さをあらためて感じました。西田先生からは、「DV対策、霊感商法対策、特殊詐欺などの実務家が集まって危険性を解説し、参加者からの多くの疑問に答える。珍しい企画で、とても有意義だったと思う」とのコメントをいただきました。
新潟青陵学会員のみなさま、関係者、当日の参加者のみなさまには、多大なるご協力をいただきました。おかげさまで、上記のように盛況のうちに終えることができましたことをご報告し、お礼申し上げます。
新潟青陵学会 第14回学術集会長 碓井真史