臨床心理学研究科
臨床心理学専攻(修士課程)

研究科長メッセージ

臨床心理学研究科長 伊藤 真理子

実践を通して臨床感覚を磨き、
ひとの「こころ」に寄り添う心理臨床家を育成します。

現代の社会は人の多様なあり方を許容し、生き方の選択可能性が拡大しています。一方で、この社会は、自分自身がどのように存在すべきかを定めにくいという側面を持っています。そのような中、「こころの専門家」への社会的ニーズは高まっており、2017年には公認心理師法が施行され、国家資格としての心理職が誕生しました。

それでは、「こころの専門家」とはどのような人を指すのでしょうか。こころの問題を抱える人に真に寄り添う心理臨床家になるには、どのような学修・訓練が必要なのでしょうか。

本研究科は、臨床心理士・公認心理師の養成機関として、単なる有資格者ではなく、資格に能う心理臨床実践力を持った「こころの専門家」を育成していきたいと考えています。

人間存在そのもの、そして複数のこころが織りなす人間関係への関心を持ち、相談者とともにこころの世界を深く探っていくためには、臨床心理学やその周辺領域に関する知識はもちろんのこと、その知識を活用して行うアセスメント(臨床心理査定)の力、来談者と適切な関係を築き共に話し合い歩む(臨床心理面接)力、来談者が生きる現実世界と適切に繋がり合う(地域援助)力が必要です。また、臨床実践を省みて自分独自の理論を紡ぐ(調査・研究)力も育んでいかなければなりません。

本研究科では、様々な臨床現場での臨床実践経験を提供し、その経験を少人数制ならではのきめ細やかさでひとつひとつ振り返ることを通して、心理臨床実践力を身につけていくことに取り組んでいます。実践の場としては、本研究科付属の臨床心理センターを中心に、学園内こども園、精神科病院、児童福祉施設など、地域の多領域にわたる実習施設が用意されています。

本研究科が開設されて今年度で18年目となりました。150名を超す修了生の多くが、新潟県内を中心に全国で、臨床心理士・公認心理師として活躍し、本研究科にもよい刺激を届けてくれています。より研ぎ澄まされた実践を目指し心理臨床を語りあう仲間の一員としてあなたを迎え入れられますよう、ご入学をこころからお待ちしております。

臨床心理学研究科長
伊藤 真理子