ブックタイトル看護学研究科 看護学専攻(修士課程)

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概要

看護学研究科 看護学専攻(修士課程)

2017年度入学5 現在、本学看護学部で基礎看護学領域の教員として学生指導に従事しています。教員として学生と接するなかで、さらに幅広い知識や論理的な思考能力、物事を多角的に捉えるための柔軟な目線を身につけたいと考えるようになり、大学院へ進学しました。助産師としての臨床経験を一区切りとして、自己の助産や看護を振り返り、学び直したいという気持ちもありました。研究テーマとして、女性の妊孕性に関連する知識や行動について探求しています。女性の社会進出にともない、結婚、出産に対する考え方が多様化し、不妊治療の向上など、さまざまな理由から晩婚化、晩産化は進む一方です。子どもを産む・産まないを決定するのは女性の権利のひとつですが、昨今では特に思春期の世代において、年齢とともに妊娠しづらくなる(妊孕性が低下する)などの知識が乏しいことや、その事実を知らないまま年齢を重ねる女性が多いという事実が浮き彫りになってきました。そのような事態が起こらないためにはどうしたら良いのかに着目しながら研究に取り組んでいます。社会人として多彩な実務経験を経た院生同士、意見を交わしあう授業は大変刺激的で、日々新たな発見があります。修了後は、大学院の学びで深めた知識を教員の仕事へ還元し、将来、看護者となる学生へより幅広い視点をもって指導を行うことが目標です。助産師の立場から、女性の一生を通した健康課題に着目しながら、さらに学修を進めていきたいと考えています。職場では脳卒中の急性期病棟に在籍し、病棟での看護のほか、救急外来の受け入れと対応も行っています。専門学校卒の私にとって大学院進学は長年の目標でした。新潟青陵大学の先生方と共同研究を行ったのを機に、ぜひ同大で指導を仰ぎたいと思うようになり、進学を決意しました。研究テーマはまだ検討段階ですが、関心があるのは「脳卒中患者の健康支援」です。脳卒中は再発を繰り返すごとに、後遺症が重なり、身体・精神・社会面からQOLに深刻な影響を及ぼします。ひとり暮らしの高齢者が増え続ける今、QOLの維持には患者さん自身の「セルフマネジメント」が不可欠です。研究を通じて実態を明らかにし、看護師が実践できる支援を深く追究していきたいです。進学して最も良かったと感じるのは、授業を通して、これまでの自分の看護を振り返り、今後やるべきことが明確になった点です。そのための理論を習得できるだけでなく、文献の選び方、読み解き方まで丁寧に教えていただけるのは大きな収穫です。修了後も、臨床の視点から研究を続け、身につけた知識を看護の現場へ還元し、広く役立てていきたいと思います。大学院では、臨床で学べない多くの知見が得られます。追究すべき課題が具体的に定まらなくても、学びたい気持ちがあるなら、ぜひ、進学をお薦めしたいです。学ぶなかで過去の経験が整理でき、自然と方向性がクリアになることを、私自身、強く実感しています。河内 学さん2015年度入学2017年度修了研究分野 看護管理学分野2018年3月6日、「2017年度看護学研究科修士論文公開発表会」を開催し、研究科の4人が選択分野の学修を修了し、自らの研究課題について発表しました。修了生は口頭試問による最終試験合格後の公開発表ということで自信をもって臨んでいました。参加した他の院生や教員から活発な意見交換がなされました。修了生には、今後も専門領域おける課題に取組み、学術的視点で研究活動を推進できるよう期待したいと思います。<修了生の研究課題>「中規模病院から自宅退院を決めた家族の意思決定に関連する要因―入退院を繰り返す要介護高齢者の家族に焦点をあてて―」「認定看護師の専従兼任別専門的実践能力とワークモチベーションの関連」「精神科病棟で働く看護職のワークエンゲイジメントに影響する要因」「がん告知を受けた患者の援助に関する外来看護師の認識―患者の意思決定の看護支援に焦点を当てて―」五十嵐 恵さん研究分野 成人看護学分野病院で看護管理の仕事に携わるなか、より専門知識を深め、自己を成長させたいと思ったのが進学のきっかけです。大学院での研究テーマは、「精神科病棟で働く看護職のワークエンゲイジメントの影響要因」。精神科病院は民間経営が多く、職員もひとつの場所で継続的に働く傾向があるため、「看護職が専門性を発揮しながら活き活きと働くこと」と「良質なケアの提供や環境改善」が密接な相関関係にあります。仕事への“ポジティブな思い”を示す概念、「ワークエンゲイジメント」の影響要因を紐解くことは、長年の自己の課題でもありました。50歳代半ばという年齢で学び通すことができるのか、不安がなかったといえば嘘になります。実際、研究が捗らず苦しい時期には、諦めかけたこともありました。壁を乗り越えられたのは、担当教員の励ましや熱意あふれる指導、そして、目的を共にする院生同士の絆があったから。周囲に支えられている実感が、前進し続ける力となりました。大学院での出会いは、私にとってかけがえのない財産となっています。これまでは、実践にもとづく「経験知」を糧に仕事をしてきましたが、大学院での学びを通して科学的な視点や論理的思考が養われ、自己を取り巻く事象を多様な見地から検証できるようになりました。社会人にとって、学びと仕事を両立するのは容易ではありません。仕事に対して絶対に手を抜きたくないと考える私は、学びの場を求めて数年間模索しました。大学院進学を決定づけたのは、社会人が学びやすいカリキュラムと「学ぶなら今だ」という思い。進学を考えている方には、「今」と感じるタイミングを見逃さず、そのときがきたら迷わず行動を起こしてほしいと願います。加藤 美里さん研究分野 母子看護学分野修了生の声大学院生の声修士論文公開発表会2017年度入学