現代GP先進事例視察研修報告

 平成21年11月19・20日に現代GP調査研究グループの本間(恵)、真壁、斎藤(ま)、鈴木(秀)先生が京都大学病院(小児病棟・にこにこトマト)で現地調査を実施しました。飛行機便の1泊2日という駆け足調査お疲れ様でした。視察報告の概略をお知らせします。

 ※ 現地視察報告書(全文)はこちらからどうぞ(クリック)

(1)「にこにこトマト」の概要
 入院中の子どもたちがひとときでも治療環境から離れて楽しんでもらおうと「にこにこトマト」を設立した。事務局4人、ボランティア登録者79名である。新聞「egaoにこトマ」の購読料等を合計すると100〜200万円の予算規模。2007年にボランティアシステムを立ち上げた。病棟では、師長が協力的であり、休日にボランティアする看護師もいる。登録者がさまざまなイベントを計画し(おはなしの会、トールペイント、英語でゲーム、手品や実験、ものづくり、ピアノで歌うなど)月のほぼ半分は予定で埋まる。「自分たちは医療の専門職ではないし、知識もない。ここは、病院の果たすべき役割とまったく違う存在として在る」ということばが印象的であった。

(2)子どもにとっては生活の場
 子どもたちの日常は痛みを伴う治療と共存する日々である。長期入院の子どもたちは、それだけで様々な面で健常の子ども達と比べてマイナスになっているという。日常性のなかで、健常者に近いレベルまで上げていきたいと繰り返し述べておられた。また、この活動は病気と離れた日常的な親子のコミュニケーションを可能とし、親同士の交流の場ともなっていた。病気と闘いながら健常の子どもたちに限りなく近づける意義ある生活の1コマを提供している。

(3)子どもの闘病意欲の促進
 検温さえ拒否していた白血病の子どもが、行事に参加することにより表情が柔らかくなり、それ以後は検温に進んで協力してくれるようになったとのこと。まわりのボランティアの方々や看護師があたたかい関心を示したことが大きいと思われる。学生はその一役を担える立場におり、実際、学生が感じ取れること以上に子どもたちに力を与えている可能性がある。

(4)学生にとって
 病と闘う子どもたちと、“生”というところで時間を共有できることは、講義や用意された実習では到底獲得できない、真摯に自らの人生観や死生観を培える学びへとつながる可能性がある。(斎藤氏レポートから抜粋)