2021年3月3日に本学看護学科在宅看護論でALS(筋萎縮性側索硬化症)の方にゲストスピーカーをお願いして講義を行っていただきました。例年は直接対面で実施していましたが、新型コロナウイルス感染状況を鑑みて、web会議システム「Zoom」を利用してのオンライン開催となりました。
講義には学生を始め、教職員、学外関係者等合わせて120名が参加しました。
講義は最初にALS患者で、日本ALS協会新潟県支部長北條正伯氏よりALS患者の在宅療養生活の実態を中心ご講演いただきました。
看護・介護サービスの一週間利用表を説明いただたり、現状のサービス利用での課題等をお話しいただきました。また北條氏は「必ず家族と夕食し団らんを楽しむ。四六時中他人が出入りするのでプライベートの時間は重要。それが家族と円満でいる秘訣。」「分身ロボットOriHime(おりひめ)を使って、子どものハワイでの挙式に参加した」「新潟シティマラソンが重度障害者も参加できるようにしたい」といった生活の質に関わる話題も非常に多く、病気のみに焦点を当てるのではなく、生活の質に着目する重要性を教えていただきました。
なお、北條氏は講演中、重度障害者用プレゼンテーションシステム(無料公開)「Hearty Presenter」を使用し、自ら舌でスライドを作成し、操作をされていていました。
その後北條氏のリハビリを担当されている、西蒲中央病院訪問リハビリテーション佐藤祐治氏による講演が行われました。
講演は録画映像でしたがこれにも理由があります。佐藤氏の講演は北條氏の居室で行ってもらったのですが、北條氏の居室で長時間話すことで通常実施している訪問リハビリ時よりも飛沫が多く飛び、新型コロナウイルスの感染リスクが高まるためです。こういったことからも専門職としての姿勢を感じ取ることができました。
佐藤氏からはICF(国際生活機能分類)概念図と実際のリハビリ時に見る視点を結びつけて講演いただきました。大学での学びと現場での活動がつながり、非常にイメージがしやすかったのではないでしょうか。
佐藤氏は「医学的な部分は看護師に敵わない。看護師を頼りにしている。看護師も理学療法士や薬剤師等それぞれの専門家に相談してほしい。そのことが患者の生活の室の向上につながる。」等チームでケアに取り組むことの重要性も話してくださいました。
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