大学からのお知らせ

平成28年度 短期大学部 卒業式式辞

平成28年度卒業式式辞の様子

皆さんご卒業御芽出度うございます。皆さんはいま青春の真っただ中に居ます。今、皆さんはご自身を幸福でない、或いはそんなに幸福ではないとお考えかも知れませんが、皆さんがある程度人生を経験して過去を振り返った時、青春時代は目眩くばかりの輝きに満ちた幸せな時期であったことが判るでしょう。
皆さんの中には所得格差の増大を訴える人もいるでしょう。しかし、私は個人としても民族としても「今日の努力がなければ明日の食事が得られないかもしれない」程度の貧しさ、貧困が必要と思います。それがなければそもそもハングリー精神の出どころがありません。私の育った家庭も当時の日本では典型的な中流家庭だったと思いますが、母親からはよくこの言葉を聞かされたものです。私は現在の日本の社会問題は、わが国社会が意識としての貧困が地を払った所為ではないかと思えてならないのです。

平成28年度卒業式式辞の様子

日本の国のここ50年或いは100年は大きな変動に晒され、それに堪えて現在の日本がありますが、これからはそれ以上の変化があります。少子化であるとか?グローバル化であるとか?社会構造の変化を伴う変動の中で最大にかつ想定し難い変化を伴うのは人工知能の発展でしょう。
人工知能と人とが知恵比べをして何方が勝つか?随分前からの興味ある課題でした。チェスや将棋は早い段階で人工知能、コンピューターに勝利の旗が揚がっていました。より広い深雑な局面が多い囲碁では容易に勝てないだろうと言われていたのが、一昨年“アルファー”と名付けたアプリが囲碁の世界名人を破って大きな話題になりました。昨年は更に進歩したアプリが出現したそうで、これでは専門棋士達が如何にも勝てそうもないのだそうです。失礼な言い方ですが趣味の世界で何が起きようと一般人には関係ありませんが、事務職の相当部分を人工知能が代替するとなると気楽にはいられません。記憶力と計算能力では私達はコンピューターに到底敵いません。定まったルールがあって各種の事例がルールに適合しているかを判定する。その積み重ねの多少が事務職の練達を左右するとなると、私達はコンピューター、人工知能に負けます。アメリカでは公認会計士の数が大きく減少しているそうです。税理士も同様の運命にあると私は思います。
いまトヨタやホンダ、日産など内外の自動車メーカーは競って電気自動車と無人運転車の開発に取り組んでいます。十年計画をどの程度前倒し出来るか?東京オリンピックでは、高速道路での無人運転の試行が一つの目安と聞きますが、無人自動運転車が普通になると世の中がどう変わるか皆さんは想像出来ますか?タクシー料金が大幅に安くなり、レンタカーと同額になっても可笑しくありません。また、モーターを動力源とする電気自動車はガソリンエンジンを動力源とする自動車より大幅に安くなる筈です。燃料費もガソリンから電気代に大幅に安くなり、一家一台どころか一人一台の自分仕様のカーライフを楽しむようになることもあり得ます。悲観的な見方では自家用自動車のレンタカー、タクシーを乗り廻しても家計に響かない時代になると、高級車は所有者のステイタスを誇示するものにならなくなり、自家用車の運転に拘る人間が何割くらい存在するのか疑わしくなって、現在の日本の自動車産業の光栄は消滅する予測もあるのです。

平成28年度卒業式式辞の様子

皆さんは短期大学部を卒業されて青陵大学など四年制大学に進学される方もそうで無い方も居られますが、この学園を母なる港として、嵐の海に疲れたとき、遠い航海に出ようとするときには、アドバイスを求めて連絡して下さい。私たちはITを利用して皆さんの生涯に亘っての学習に支援の態勢を組む用意があります。それでは皆さんお別れでなくて、新関係構築の為に先ずはこの私のメッセージに賛否の意見を頂きたいものです。必要かつ有意義な回答をお約束して式辞と致します。

平成29年3月17日
新潟青陵大学短期大学部学長
関 昭一