大学からのお知らせ

平成27年度 短期大学部 卒業式式辞

平成27年度卒業式式辞の様子

皆さん ご卒業御芽出度う ございます。皆さんは4月から晴れて社会人です。「社会人」と「学生」とを身分として区別し、差別するのはアジア的発想のようです。欧米では高校生までは親が扶養し、かつ厳しく口も出すようですが、高校を卒業すれば一人前、一個の独立人とみなして、生活を一緒にすることもないし、その代わりに何をしても 文句を言われることも無い。大学の授業料もローンを組んで自分が払う。それが大学卒業時の重い負担になるので、今度のアメリカ大統領選挙ではその軽減が予備選挙の公約の一つになっています。日本では大学卒業 までは親掛りの習慣の皆さんを幸せと云い切って仕舞って良いか?自助、独立を妨げると云うべきか?問題が残りますが日本でもこの程満18歳で国政選挙権が付与されることになりました。権利と義務は裏表の 筈で、皆さんの後輩に自助、独立が要求される契機になるのは間違いないでしょう。

平成27年度卒業式式辞の様子

「寄らば大樹の影」とか「大船に乗った気分」とか申します。大部分の皆さんは就職が決まっていて、いままさに大船に乗った気分で居られると思います。其処には経験豊かでかつ初任者教育に熱心な上司、先輩が多数居られるでしょう。上司、先輩に可愛いがられる人とそうでも無い人に分かれます。皆さんは素直に上司、先輩に敬意を表し、可愛いがって貰えるはずと思いますが、それと同時にその職場の将来を担うのは私たちだと言う自信を持って欲しいのです。これからの企業は技術の進化、発展と目まぐるしい社会の変化に対応するニーズの先取りが必要です。欧米ことにアメリカでは学生のうちからベンチャー、新規の会社を起こすのが流行っていると聞きます。新しい感性で未来のニーズを把握し成功させなければ、旧い企業は沈滞し没落するしかありません。旧い歴史のある企業はその歴史の中で新旧の新陳代謝があって、旧い会社は消え、新しい会社が取って変わって来たのです。 皆さんは社会の変化、テクノロジーの進化に敏感に反応する最先端の役割はご自分が担って居ると使命感を持って欲しいのです。

今までも折に触れて申し上げて来た筈ですが、皆さんは短期大学の二年間を四年制大学の四年間に比べて引け目に感じることが無いようにお願いします。皆さんの人生70年,80年の最終ゴールを決めるのは生涯学習の50年,60年です。それに較べれば在学期間の二年間の差は誤差の範囲内です。私たちは皆さんの短期大学在学二年間で生涯学習の基礎を学んで頂きました。皆さんは皆さんの職場を更には世間を生涯学習の場として研鑽に励んで頂きたい。私たちはこの卒業式の後も皆さんと縁が切れたと思いません。折にふれ、機会をみては学校を訪ねて下さい。アドバイザーの先生方、部活の顧問の先生から歓迎されて皆さんはその度毎に少なからず得るものがあるでしょう。職場が忙しくとも、上位資格取得の意欲を失くさないで下さい。

平成27年度卒業式式辞の様子

これからの社会が大きく変わる中で一番大きな変化はロボットの進化とその利用だと私は思っています。ロボットが人間の知能を超えるかが話題になっています。ロボットはチェスの世界選手権大会優勝者を破りました。チェスや将棋よりもはるかに変化に富む囲碁の名人との対局が話題になっています。計算能力と記憶能力でロボットは人間を遥かに超えますが、最終的にロボットが人間に及ばないのは「好奇心」だと私は思います。人間の赤ん坊が未知のものに示す好奇心。人間だけでなく猫の子も犬の子も未知の世界に示す好奇心は、生物、少なくとも動物がその生存を賭けて、周囲の世界を探ろうとする、根源的な知的原動力なのです。それは死ぬことをインプットされた生物に特有な知的原動力だから、死ぬことのないロボットには無縁のものです。

皆さんはこれからのお仕事に必要な知識や技術を習得されましたが、それに加えて先生方から飽くなき好奇心と何が本質的であり、何が正義かを伝えて頂いたと思います。皆さんの母校である新潟青陵大学短期大学部はキャンパスの改築中ですが、内実共に皆さんの母校の名に恥じない発展を遂げるでしょう。皆さんの母校の名を挙げるようなご活躍と大成を祈って式辞と致します。

平成28年3月18日
新潟青陵大学短期大学部学長
関 昭一