大学からのお知らせ

平成29年度 新潟青陵大学 入学式式辞

平成29年度入学式式辞の様子

本日ここにご来賓ならびにご家族のご臨席をたまわり、平成29年度新潟青陵大学入学式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。この度、入学を認められましたのは、福祉心理学部学士課程140名、看護学部学士課程96名、福祉心理学部三年次編入11名、大学院修士課程臨床心理学研究科9名、看護学研究科7名であります。
新入生の皆さん、入学まことにおめでとうございます。
皆さんは今日よりこの学舎で福祉学、心理学、看護学等の専門分野において次世代をになう専門的職業人をめざして学業を積まれることになります。日本は世界で類を見ない高齢化少子化時代を迎えており、福祉・看護の分野に関わる専門職は地域社会において最も必要とされている職業であります。このような分野を選択された皆さんの決意を、私は本当に素晴らしいと思います。この決意を一時も忘れることなく、皆さんがこれからの大学生活において<深い知力>を培っていただくことを期待します。

平成29年度入学式式辞の様子

「深い知力」とは、たんに有用な知識をひたすら暗記することや多くの情報を蓄積することを意味しません。あえていえば暗黙知といわれるもので、「意味がよくわからないものの意味が予見できる力、有用性がいまだ知れないものの潜在的な有用性をかすかに感知できる能力」であります。成長過程にある人間だれもが持っているものです。皆さんが「深い知力」をみがくためには、これまで習慣となった受け身の受験勉強スタイルから脱皮し、能動的で自主的に学ぶスタイルを身につけていただきたいと存じます。それをアクティブラーニングといっても良いでしょう。自分自身で課題を見つけ、それを学習し、友人と議論をすることが「面白い」と感じるようになったら、皆さんの大学生活の価値は2倍になるはずです。
「これを知る者は、これを好む者に如かず。これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」という論語の有名な一節があります。「物事に対して知識でもって理解することは、感情で好むことの深さに及ばない。感情で好むことは、全身を打ちこんで楽しむことの深さに及ばない」という意味です。論語世界は孔子とその弟子たちの対話の記録で、はるか二千五百年のときを越えて今につたわり、私も若いときは儒教の教科書のように感じて敬遠していたものですが、近年繰り返し読むごとに、まことに味わい深い古典だと知りました。「対象」に対する「知る」「好む」「楽しむ」という三様の段階を経て「楽しむ」境地に至ったものを最高に評価しているのです。学問でも音楽でもスポーツでも結構です。どうか楽しんで学び、学ぶことが楽しくなってください。
ドイツには「人間を自由にするのは教養である」ということわざがありますが、その場合は、教養とは人間形成という意味になります。私は「誰とでも、どんな状況でも、自分の言葉で語り、相手の心の痛みを感じ取り、人と接する能力」を、「新しい教養力」といっています。この教養力を支えるものは「豊かな情感」と「強い意志」であります。

平成29年度入学式式辞の様子

福祉や看護の現場で活躍するためには、「他人のことを常時優先して考えられる人間」を目指して、実践的な知識と技能に加えて、それに血を通わせる思いやりの心が必要です。どのような相手に対してもその人の立場になって考えられるという心の訓練があって初めて「プロフェッショナル」になるのです。本学はそうした「ケアの心」を育むことを教育理念の根幹としています。
私たちの学舎は春夏秋冬、四季折々に素晴らしい自然のたたずまいに取り囲まれております。窓外にみえる表情豊かな日本海は、皆さんに自立の精神を促し、島影と海とが混然と織りなす茜色の夕映えの光景は、皆さんに「豊かな情感」を育むことでしょう。学園キャンバスには皆さんの入学を祝福するタイミングで瀟洒な新1号館が竣工されました。図書館前庭の桜は樹幹に薄紅色をおびていますから、皆さんがオリエンテーションから帰ってくる頃には全面開花していることでしょう。こうした雄大な自然の恵み、繊細な季節のめぐりとともに皆さんにはこれから多くの人々とのさまざまな出会いが待っています。二度とめぐってこない青春の日々です。学生生活において最も価値あるものは友情であります。何よりも大事なことは、知的刺激を与えあう友を持つことです。「友をえらばば書を読みて、六分の侠気四分の熱」と唄ったのは明治の詩人与謝野鉄幹でした。
スポーツでもボランティアでもサークル活動にぜひ参加して、教職員、学友たちと交流してください。これから紹介される三好達治作詞、中田義直作曲の素晴らしい学園歌にあるように、「若き日の二つなき日」の青春の情熱をこの青陵のキャンパス中にたぎらせてください。

新入生の皆さん、私たち新潟青陵大学教職員一同は皆さんを新しい仲間として心から歓迎します。ともに青陵の新しい歴史を刻みましょう。

平成29年4月4日
新潟青陵大学学長
諌山 正