大学からのお知らせ

平成28年度 新潟青陵大学 入学式式辞

平成28年度入学式式辞の様子

本日ここにご来賓ならびにご家族の皆様のご臨席をたまわり、平成28年度新潟青陵大学入学式を挙行できますことを心より感謝申し上げます。この度、入学を認められましたのは、大学院修士課程(臨床心理学研究科9名、看護学研究科5名)、学士課程(福祉心理学部130名、看護学部91名)、看護福祉心理学部福祉心理学科三年次編入学12名であります。
新入生の皆さん、入学まことにおめでとうございます。そして今日までご子弟の成長を温かく見守り、支援してこられたご家族の方々に対して心よりお祝い申し上げます。
皆さんは今日より福祉、心理、看護等の分野における専門的職業人をめざして本学で学業を積まれることになります。いうまでもなくケアにかかわる専門職は日本においてのみならず高齢化少子化が進む世界のすべての先進国において最も必要とされる職業のひとつとなりました。この学びの道を選択された皆さんの決意は、本当に素晴らしいことだと思います。この決意を一時も忘れることなく、皆さんがこれからの学生生活において<深い知力>と<ケアする心>の総合された能力を培っていただきたいと存じます。

第一に、「深い知力」とはどのようなものでしょうか。決して知識を丸暗記したり、夥しい情報を蓄積することで得られるものではありません。ある程度の知識ならばインターネット上で簡単に検索することができる時代です。あえていえば「意味がよくわからないものであっても、その意味が予見できる力、有用性がいまだ知れないものであっても、そのものの潜在的な有用性をかすかに感知できる力」こそが「深い知力」だと考えます。「そこに何かがあるのではないか」と感じる力に加えて、未知のものを追及する精神が不可欠です。「深い知力」をみがくためには、皆さんが習慣としてきた受け身の受験勉強スタイルを脱皮し、能動的で自主的に学ぶスタイルを身につけていただきたいと存じます。これはアクティブ・ラーニングとも呼ばれるものです。自分自身で書物を読み、ある時にはそれをテーマに先生や友人と議論をすることが「面白い」と感じるようになったら、これからの大学生活の価値は2倍となるでありましょう。

第二に、「ケアする心」を持つとはどのようなことを意味するのでしょうか。端的に表現すれば「他人のことを常時優先して考えられる人間になる」ということです。福祉や看護の世界で活躍するためには、実践的な知識や技術に加えて、他者に配慮する思いやりの心が必要です。どのような相手に対してもその人の立場になって考えられるという心の訓練があって初めて「プロフェッショナル」になるのです。「誰とでも、どんな状況でも、自分の言葉で語り、相手の心の痛みを感じ取り、人と接する能力」を日常の生活実践において磨き上げることを心がけて下さい。そのようにしてケアする心は、個人の私的利害や閉ざされた自我しか考慮しない人間の心理に対抗し、それを克服することができます。

平成28年度入学式式辞の様子

さて、2週間前の卒業式の頃には、学舎の桜の木々も褐色の樹皮で覆われていましたが、今朝は樹木全体がほのかな薄紅色をおびているようです。花が開く直前の頃まだ雪が残っているような山で採取した桜の小枝を炊き出して、その灰汁で糸を染めると、薄紅のえもいわれぬ色を取り出せる、と著名な染色家が書いています。学び舎の桜も皆さんのオリエンテーションが終わる頃には満開となり、寒い季節に樹皮に蓄えてたであろう薄紅色が梢を伝って一気に花びらに溢れます。「褐色の樹皮が花びらの薄紅色を作り出す」という自然界のふしぎさに私はいつも心惹かれます。皆さんが今潜在的に持っている<深い知力やケアの心>は、時が満ちればいつか開花するものであると信じ、私たちは毎日教壇に立っています。

平成28年度入学式式辞の様子

青陵のキャンパスが生命感溢れる季節を迎える皐月の頃になれば、皆さんもキャンパス生活に慣れ、多くの人々とのさまざまな出会いが待っています。皆さんの学生生活において最も価値あるものは友情であり師弟の絆であります。来週には早速妙高でのオリエンテーションキャンプが予定されています。友人ができないと嘆く前に、初めて顔を合わせる学友とも積極的に語り合って下さい。ボランティアでもスポーツでも音楽でもぜひサークル活動に参加して、学友との協働と連帯の喜びを感じて下さい。学園歌にある「若き日の二つなき日」なのですから、どうか楽しんで学び、学ぶことが楽しくなってください。
私たち新潟青陵大学教職員は皆さんを新しい仲間として心から歓迎します。ともに青陵の歴史を刻みましょう。

平成28年4月2日
新潟青陵大学学長
諌山 正